2006年 第二回定例文京区議会(区長・教育長 答弁付き)
 
市民フォーラム代表質問 鹿倉泰祐
  
●「区立小・中学校の将来ビジョン(素案)」について
●「区有施設の中長期改修計画」と「将来ビジョン」の関係について
●第五中学と第七中学の統合及び新校舎の建設について
●「将来ビジョン」への子どもたちの意見表明について

●「将来ビジョン」は新たな会議体の設置で議論を
   △財団法人東洋文庫との交渉の経緯について
   △旧元町小学校跡地の活用と総合体育館移設について
   △旧4中跡地について
       ▲廃プラスチックのサーマルリサイクルについて

質問@ 6月6日開催の教育委員会において、「区立小・中学校の将来ビジョン(素案)」および「第五中学校・第七中学校の統合及び新校舎の建設について」が決定されました。

「素案」で示されている「学力向上の取り組みについて」や「子育て支援を含めた地域に開かれた学校への取り組みについて」「特別支援教育及び教育と福祉の連携について」「幼・小・中一貫(連携)教育、中・高一貫(連携)教育の取り組みについて」は、一般論にとどまり具体的な検討・調査による議論が行われているようには読めません。どのような議論を経てきたのか、また、現場の教員からどのような意見を聞いたのか、伺うものです。

区民にとっては、学校のますますの大規模化と教科担任制、小規模校での複数担任制などの「素案」で示された指導方法が、児童・生徒にとっての教育環境や教育の質の向上にどのように貢献するのか、文京区の教育の目指す方向性が「素案」ではまったく理解できません。

「文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)」であるならその「将来ビジョン」の目指すべき方向が区民と共有できるものでなくてはなりません。

 

教育長答弁@ 区立小・中学校の将来ビジョン(素案)に関するご質問にお答えいたします。まず、学力向上の取り組みなど、素案の基本的考え方と方向性で示しているいくつかの内容についての検討経過等に関するお尋ねですが、素案の基本的な考え方と方向性で示した内容は、教育改革区民会議からの答申やこれまでの教育委員会の取り組みなどを基に検討を進めてきたものであります。

また、現場の教員の意見聴取に関するお尋ねですが、校長の意見も受け検討を進めてきたものです。

 

質問A 今回の「素案」を考える上で、区が2004年2月に公表した「文京区区有施設の中長期改修計画」との関係を指摘しなくてはなりません。

 「文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)」で、統合にあたり具体的に改築の年次計画が示された第五中学校(校舎・体育館)、林町小学校(校舎)、第七中学校(体育館)、誠之小(校舎)、明化小(校舎)、第六中、千駄木小等は、それぞれ「中長期改修対象建築物」で区の基本構想実施計画に反映されるものと、耐用年数を経過したとされる建築物です。

この計画では、「耐震補強工事の必要性が高い建築物」と「避難所となる建築物」その他「優先順位に基づく総合点が11点以上の建築物」として具体名を挙げられていますが、今回の「素案」がもし中長期改修計画の学校版、つまり学校改築・改修計画を統廃合によって実施することを目的とするなら、「教育ビジョン」ではなく「建築ビジョン」であり、本末転倒です。

例えば、第六中学校校舎は70年を経過し耐震ランクもCランクとされ、早急な改築が関係者より要望されていたものです。もし、第六中学校の改築が単独でできるとするなら、八中・文林との統合はなくなり、千駄木・汐見・駒本の統合と、誠之小の第二校舎も無理となります。つまり、これらの統廃合計画は、誠之小の第二校舎と、第六中学を単独で改築しないことを前提にして、連鎖的に行われているのです。

教育は、「未来への投資」といわれていますが、それは未来を担う子どもたちに希望を託す営みです。「文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)」を予算の削減、学校改築経費の節約の問題として整理するなら文京区の子ども達と私達の未来を歪める計画となると考えますが、如何でしょうか。

 

教育長答弁A 将来ビジョンは、学力向上への取り組み、学校の規模の確保及び校舎の老朽化に伴う計画的な改築などさまざまな課題に対応するため、文京区の学校の将来像を具体的なビジョンとしてお示しするものであり、子どもたちの教育環境の向上のため、新しい学校づくりをめざしていくものです。

そのなかで、老朽校舎の改築を計画的に進めることについても重要な視点としております。予算の削減を目的としたということはございません。

 

質問B 庁内で開催される政策調整会議は区長や教育長、その他の幹部職員で構成されていますが、どのような性格でしょうか。この政策調整会議で合意が得られたものが教育委員会の俎上に「将来ビジョン」として報告されているのかと疑問を持たざるをえません。

昨年の夏までは、予算編成において第五中学校の改築経費は予算化するかどうかが論点になっていました。しかし、10月19日の政策調整会議では「将来ビジョンの素案の一部として」「第五中学校及び第七中学校を統合する。統合校の校舎は、教育センター及び新大塚公園の敷地に建設することを検討する。新校舎の設計に、平成18年度の可能な限り早期に着手する。」と五中の改築ではなく、統合案が了承されました。

しかも、不思議なことに、その前日の教育委員会には「文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)骨子」は議題にもなっていませんでした。

今年の5月17日の政策調整会議では、「文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)に係る調整について」が議題とされ「結論」として、「五中、七中統合計画に関する教育委員会の方針決定に当たり、教育センター及び新大塚公園を統合校用地に変更、五中に代替公園を整備する方向を確認する。また、七中跡地の活用方針の検討を行う。」としましたが、教育委員会が「素案」を決定したのは半月後の6月6日です。

事実上の「決定」と考えられる5月17日の政策調整会議記録要旨は、6月7日の庁議で「素案」が報告されるまで全てが非公開という扱いでしでしたが、区が方針とする政策形成過程からの住民参画はその課題ごとで違うということなのでしょうか。

区長は学校教育についても全ての予算編成権を持っていますが、その予算編成権を持つ区長が常に教育委員会の前に政策調整会議を開催し、教育委員会との協議・調整という名目で事実上の決定を行っているのではないでしょうか。

政策調整会議に資料として提出された「五中・七中統合方針」とそれ以外の「将来ビジョン(素案)に係る関連事項」について、区長部局と協議・調整とするなら教育委員会では、事前にいつ議論され了承されたのでしょうか。昭和小学校拡張用地や教育福祉一体化施設、全小学校育成室整備、教育センターのあり方等が、いつ教育委員会で議論され検討されたのでしょうか。経緯を伺います。

 

区長答弁B 政策調整会議の性格についてですが、政策調整会議は、区の政策決定に当たり必要な協議及び調整、並びに庁議に付議すべき事項で特に重要な協議、調整を行う会議体であり、決定機関ではありません。

 会議記録等の公開についてですが、本件は、教育委員会が決定する「文京区立小・中学校将来ビジョン(素案)」に関する事項であることから、それまでの間、文京区情報公開条例に基づき、対応したものであります。

 

質問C この政策調整会議では、「福祉センターについては、個別分散型の方向で、そのあり方について検討しており、将来ビジョンと方向性は一致している。」「駒本小学校統合に係る教育福祉の一体化施設の整備に当たっては、グランドの一部を開放していく方策について検討すべきである」「教育センターについては、五中・七中統合校を含め、教育施設内で機能の分散を図る方向で検討したい。」と意見が出ていますが、これらの課題は、それぞれが個別に充分検討組織を設置して検討されるのが筋で、まとめてガラガラポンとつじつまを合わせるものではありません。

福祉センターの個別分散型の検討や教育福祉の一体化施設の整備、教育センターの教育施設内での分散について、いつからどのような検討組織で具体的にどのような議論をしているのか伺います。

 

区長答弁C 文京福祉センターに関する検討についてのお尋ねですが、教育福祉の連携強化につきましては、継続的に教育局と協議をしてまいりました。文京福祉センターのあり方につきましては、本年度福祉部内に組織を設置し、検討してまいります。

次に、ビジョン(素案)作成過程での区長部局と教育局との協議・調整は、両者に関係する事項もあり、至極当然のことであります。したがいまして政策調整会議で事実上の決定をしたということはございません。

質問D 6月17日より地域説明会が開催されています。この説明会は教育委員会が将来ビジョン(素案)について説明を行っていますが、学校統廃合に伴って生じる区長部局での対応事項(教育福祉の一体化、育成室整備方針、子育て関連施設の検討、学校統合後の防災拠点の検討、財源計画の検討など)についての区民からの質問に、説明会場では明確に答えることができず、区長部局で検討するという答えに始終し、一方、区長は街かど対話において「将来ビジョン素案は教育委員会の決めること」と答えていますが、区長も教育委員会も区民の前でお互いに上手に立場を使い分け、その場しのぎをしているのではないでしょうか。

本来なら、「将来ビジョン素案」作成の段階で教育委員会は区長部局との連携が必要な事項について綿密な作業を行い、区民の求めに応えるべきです。政策調整会議は事実上の決定を行う機関ではなく、まさに調整をすべき会議体なら、いくら素案であっても両者の十分な検討が行われていないものは再度検討を行い区民に示すべきです。見解を伺います。

 

教育長答弁D 教育委員会の審議と政策調整会議との関係に関するお尋ねですが、教育委員会での審議を行うにあたり、区長部局の所管に属する事項について、事前に必要な区長部局との調整、協議を行ったものでございます。

次に、昭和小学校拡張用地等いくつかの課題についての教育委員会での検討経緯に関するお尋ねですが、先ほどもご答弁いたしましたが、教育改革区民会議からの答申や教育委員会におけるこれまでの取り組みなどを基に、検討を進めてきたものでございます。

次に、教育・福祉の一体化施設の整備及び教育センター分散についての検討経過に関するお尋ねですが、教育、福祉の連携強化については、継続的に福祉部と協議をしてきた課題であります。また、教育センターの機能分散については、教育センター運営委員会などでの検討を経て進めているものです。

次に、素案の基本的な考え方と方向性で提示したいくつかの内容についてのお尋ねですが、これらの内容は、基本的な考え方をお示ししたものであります。育成室の具体的な設置場所など個別、具体的な取り組みについては、今後区長部局と協議してまいります。

 

質問E 第五中学と第七中学の統合及び新校舎の建設については、素案骨子で示した内容の通りとするという決定が行なわれましたが、そこに示された2つの理由(七中の著しい小規模化のための早急な対応の必要性、学校準備会において、新校開設に向けての準備が着実に行われていること)及び、公園の変更に関する近隣住民への対応については、理解が出来るものではありません。

庁議で「都市計画公園についての考え方」(5月31日都市計画部長決定)が報告されていますが、この「考え方」では、都市計画運用方針の基準を示し、文京区における都市計画公園の変更についての条件について、最後の項で、「学校の配置見直しに伴う学校跡地を活用する場合など確実に公園用地を確保できる場合とする。」としました。

しかし、区が引用している都市計画運用指針は、その後段で「公園等の公共空地は長期的な視点で必要な水準を確保するべく都市計画決定されている趣旨から高い継続性、安定性が要請されていることに鑑み、区域の一部の変更であってもその見直しの必要性は慎重に検討することが望ましい。」としています。都市公園法第16条も「公益上特別な必要がある場合」と極めて限定的に変更を認めているにすぎません。

 区は、新大塚公園を廃止し第五中学敷地に新たな都市計画公園「小日向水道公園」を設置すると方針ですが、区民の理解を得ない都市計画公園の廃止は行うべきではありません。新大塚公園を廃止する都市計画審議会の開催も含め区長は具体的なスケジュールを考えていると聞いていますが、いつどの時点で補正予算や条例提案を行おうとしているのか伺います。

 

教育長答弁E 第五中学校、第七中学校の統合に関するいくつかのご質問にお答えいたします。統合の理由及び公園変更に関する近隣住民への対応についてのお尋ねですが、第五中学校、第七中学校の統合計画については、それぞれの学校が抱える課題を解決する案であり、かつ緊急度が高いことから、今回方針を決定したものでございます。近隣住民への対応につきましては、今後とも区長部局と連携しながら進めてまいりたいと考えております。

次に、補正予算や条例提案の時期に関するご質問ですが、本年度下半期に学校整備の設計を予定しており、必要な予算措置や条例改正について区長部局と協議してまいります。

 

質問F 「新大塚公園を守る会」からは1万6千筆を超える署名が提出されました。この署名を真摯にうけとめるべきです。また、第五中学近隣の町会・同窓生による「区立第五中学校の存続を求める会」からも要望書が提出されています。第五中学と第七中学の統合及び新校舎の建設については、様々な声があることを前提に充分に議論すべきであり、区が強制的に押し付けるものであってなりませんが、如何でしょうか。

また、第五中学と第七中学の統合に伴う新しい学校づくり協議準備会の運営について、「新校開校に向けての準備が着実に行われている」としていますが、統合の既成事実化を決定前に行ったということであり信義に反するものです。

第五中学と第七中学の統合について、教育委員会が決定を押し付けるだけなら「政策立案・実施・評価の各段階への区民等の参画」を明記した文京区の憲法ともいえる自治基本条例に反することは許されません。

 

教育長答弁F 公園存続の署名や第五中学校の存続を求める要望書に関するお尋ねですが、署名や要望書については、承知しております。一方、この統合や新校舎の整備を期待する声も寄せられております。第五中学校、第七中学校の統合校の整備のためには、新大塚公園の活用が必要であります。将来の望ましい学校施設を整備していくことは、これからの子どもたちへの責任であると考えております。

次に、第五中学校、第七中学校統合に伴う新しい学校づくり協議準備会に関するお尋ねですが、協議準備会は、統合に伴う新しい学校づくりについて、保護者の方のご意見をお伺いするため設置したものであります。第五中学校、第七中学校の統合計画を決定したのは、緊急度の高い課題であるためです。

 

質問G 「素案」の説明会では、大規模校のデメリットが検証されていないことが大きな批判を受けています。教育委員会は「大規模校にはデメリットにまさるメリットがある。単学級のデメリットはどこの自治体の答申をみても謳っている」と核心をそらす説明を行っていますが、これまで、教育委員会は、指定校変更に起因すると思われる特定校への児童の集中を引き起こし、その周りの小学校の小規模校化を生じさせてきました。

素案では児童数が900名近い大規模校が続々と誕生します。今後、指定校変更の制限を緩和するならば、学校の肥大化がますます進みます。児童にとって良好な教育環境を保つには、児童数はどれくらいが最適と考えているのか、伺います。

 

教育長答弁G 小学校の適正規模に関するお尋ねですが、小学校の適正規模は、平成7年の文京区立学校適正規模適正配置審議会からの答申の考え方を継続し、1学年あたり2学級以上と考えております。校地の拡大などの教育環境の整備が図られる限り、相当の規模まで問題はないと考えております。

 

質問H 窪町小学校や誠之小学校の分校化については、教育委員会は先駆的取り組みであり、ここでもデメリットを上回るメリットがあることを強調しています。文京区は品川区の義務教育4,3,2制、三鷹市の2,3,4制のように教育目的をもって学年を分けるのではなく、建物の都合で分校化を行うに過ぎません。教科担任制の導入は統合により生じる教師の配置上の問題から取り入れた制度ともいえます。学びの連続性をどう考えるか、単学級は諸悪の根源だが単学年の学校は良いと考えているか、教育長の考えを伺います。また、大規模校・小規模校の問題、分校化の問題、とりわけ分校化に対しては、日々の、あるいは年間活動、学校運営をどうするのかについて教員との十分な議論が行われたのか伺います。

これらの問題は子ども達にとって影響が大きく、取り返しのつかない結果を招く事は許されません。

 

教育長答弁H 第二校舎に関するお尋ねにお答えいたします。文京区の学校は、都心部に位置している学校として、校地面積が比較的狭い現状があります。今回の素案においては、校地の広い学校づくりを目指しております。第二校舎については、二つの校地を活用することにより、特別教室やグラウンドなどを有効に活用した教育を進めていくものです。二つの校舎を活用してまいりますが、学校運営としては、校長のもと一体的に進めるものであり、学校としての教育の一貫性を図るとともに、異学年との交流などは、今までどおり取り組んでまいります。

なお、教科担任制は、教員の専門性を生かした授業の質の向上を図るとともに、児童にとっても複数の教員と交わることにより教科学習への意欲が高まることを目指して導入するものです。

また、教員との議論に関するお尋ねですが、校長等の意見を踏まえ教育委員会として検討したものです。なお、今後個々の課題については、教員を含めて検討してまいります。

 

質問I 日本は1994年、子どもの権利条約を批准しました。批准した締約国は国連・子どもの権利委員会に対し、条約の実施状況を定期的に報告し、子どもの権利委員会は各国の報告書を審査し、「総括所見」を採択し、必要な措置を勧告することとなっています。

日本政府の報告に対する第1回の「総括所見」は1998年に出されましたが、その中で、子どもの意見の尊重(子どもの権利条約第12条)について、十分に実施されていないとの勧告がされました。2004年の第2回の「総括所見」においても、子どもの意見尊重が制限されていることや子どもに影響を及ぼすあらゆる事柄に関して子どもの意見の尊重を促進し、かつ子どもの参加の便宜を図ることが意見として述べられました。

今回の区立小・中学校将来ビジョンは、子どもたちが学ぶ学校が大きく変わる計画で、子どもの権利委員会が述べている、まさに「子どもに影響を及ぼす事柄」と言えます。

今回の将来ビジョンについて、子どもたちの意見表明はどのように図られているのか伺います。子どもの権利条約第12条の「子どもの意見表明の尊重」が十分に図られるよう、強く求めます。

 

教育長答弁I 子どもの意見表明に関するお尋ねですが、今後、学校の統合などを具体的に進めていく過程において、学校名や施設整備などの新しい学校づくりを進めていくにあたり、必要な事項について、児童・生徒の意見を反映するよう努めていきたいと考えております。

 

質問J 今後「素案」については、区民説明会の意見やパブリックコメントを教育会議区民会議にフィードバックし、一定の議論を経て「案」を作成するとされていますが、6月9日の教育改革区民会議全体会や16日に行われた第三部会においても素案に対する審議は十分ではありませんでした。

教育改革区民会議第3部会(諮問時第4部会)に対する諮問内容は多岐に渡り、学校配置の考え方の見直しを専門に行う会議体ではありません。10年間にわたる重要な計画を議論する会議体であるにもかかわらず、委員に現役の保護者や障がい児をもつ親は少なく、現場の教師、町会や自治会など地域の代表者も入っていません。

多くの当事者をメンバーとし、将来ビジョンを専門に検討する会議体を立ち上げ、多方面からの検討や調整を行うことが区民からも求められています。既に第五中学校・第七中学校については新しい学校づくり協議会準備会が開かれていますが、統合を前提の個別の協議を行う前に、この素案に関して全体的な議論が必要です。この素案は区民にとって、文京区の将来の子ども達の教育に大きな不安を抱かせるものです。私達はこの素案を白紙撤回し、新たな会議体の立ち上げ強く求めます。考えを伺います。

 

教育長答弁J 素案に関する全体的な議論の必要性及び新たな会議体の立ち上げに関するお尋ねですが、将来ビジョン素案に関しましては、パブリックコメントを実施するとともに、教育改革区民会議での検討協議などを経て案としてまとめていくこととしており、白紙撤回する考えはございません。また、ご提案のような素案作成のための会議体を設置する考えはございません。

 

質問K 財団法人東洋文庫との交渉の経緯について伺います。

 区長や教育長、幹部職員をメンバーとしている政策調整会議が2004年10月28日に行われています。この会議の議題の一つは「校地拡張に伴う諸課題について」でしたが、区長は、この内容を議会にも報告しませんでしたし、情報公開請求にも長期に非公開という対応をしてきました。

その内容は、「東洋文庫が移転先を探している。」「東洋文庫と総合体育館の敷地を交換し、昭和小学校の校地を拡張する」「総合体育館の機能を近隣の施設や、旧元町小学校などに分散して移転」等で、「結論」として「今後、検討を行うことを了承する。」となっています。

本年5月に私がこの間の情報を確認したところ、区はその後、東洋文庫との接触もないし、検討も具体的に行われていないという不自然なものです。

一方、今年の5月17日付けの東洋文庫からの「文京区総合体育館敷地について(依頼)」という文書が6月7日に明らかにされました。東洋文庫からの文書によると「旧元町小学校跡地の活用として貴区総合体育館を移設する計画を、先般の議会にご報告された旨聞き及んでおります。」とあり、「当文庫では、総合体育館跡地を最有力の移転候補用地として考えており、また、当文庫の跡地活用につきましては、区と充分協議してまいりたい」とあります。つまり1年半前の文書と同じ内容です。

その文書が提出された日付である5月17日には、先程説明した政策調整会議が午前中に開催され「将来ビジョン素案」が決定されていますが、不思議なのは、「将来ビジョン素案」に係る関連事項の検討の中に、「昭和小学校拡張用地確保のための東洋文庫用地の取得」が入っていることです。

区長、何故、東洋文庫についての報告をこの間、一切議会に行わなかったのですか。総合体育館の敷地との交換、昭和小学校の校地拡張といった重要な課題について、これまでの経緯について議会にも情報を明確にしないことは、議会との信頼関係を欠くものです。今日までの東洋文庫との協議・検討経過について明確にお答えください。

しかも、これらの事実経過から考えると、教育委員会は「東洋文庫用地の取得」について、まったく認識がないという前提の下で、昭和小学校と駕籠町小学校の統合・かごまち保育園の移設と拡充を検討していたということなのですか。それとも教育委員会とはその情報を共有していたということなのでしょうか、如何でしょうか。

 

区長答弁K 平成16年の秋頃に財団法人東洋文庫が移転先を探しているという情報がございました。区としては、「学校用地の拡張」という観点から、一定の検討対象になり得ると考えておりましたが、その後、この件については特に具体化の動きはありませんでした。そのため、議会報告なども行ってはおりません。本年3月に旧元町小学校等の有効活用について議会にご報告した後、東洋文庫も含めて数件問い合わせがあり、お話を伺ったところです。また、「校地の拡張」は基本構想実施計画にも記載のとおり、区としては常々適地を求めているところであり、こうした情報があれば教育委員会とも情報を交換することは当然のことと考えております。

 

質問L 区長、文京区の情報公開条例はその目的を第一条で「区民の知る権利を保障し、区民の行政情報の公開を請求する権利を明らかにする」「区が区政に関し区民に説明する責務を全うし、もって区民の区政への参画の促進を図り、区民との信頼関係の下に公正で開かれた区政を実現する」としていますし、第七条では「行政情報の公開義務」が課せられています。

私は、東洋文庫に関する情報公開請求をこの間行ってきましたが、資料が存在しないとか、資料の時限秘による非公開等は、「文京区の情報公開制度のあり方について」の答申の趣旨にも反し、条例違反と言わざるを得ません。如何でしょうか。

 

区長答弁L 情報公開についてですが、条例に基づき、適切に対応しております。

 

質問M 旧元町小学校跡地の活用と総合体育館移設について伺います。3月6日の総務区民委員会で「旧元町小学校跡地の活用について」「総合体育館の移設」「元町公園との一体的整備」「共同事業による実施」という報告が初めて明らかにされました。教育委員会には、3月13日に報告とのことでした。

 さて、社団法人日本造園学会から「文京区立元町公園の保存に関する要望書」が提出され、元町公園は「わが国の近代都市の文化遺産としても国内で他に類を見ない大変貴重な公共庭園」であり、「貴重なランドスケープ遺産が後世に継承される形で保存・活用」するよう強く求めています。同様な要望は建築史学会、文京区歴史的建物の活用を考える会、文京の文化環境を活かす会からも行われています。東京新聞の4月19日夕刊には1面トップの記事で、「関東大震災 復興の象徴 体育館移設で消滅危機」と報じられました。

 議会への報告や庁議の資料では「旧元町小学校跡地の有効活用について」とし、課題と取り組み状況を報告していますが、文化遺産としての課題の整理はありません。

私も、先の総務区民委員会で元町公園の文化的・歴史的な価値について委員会で述べさせていただきましたが、区長の元町公園についての認識と、文化遺産の保存という視点でどのような検討をこれまで行ってきたのか、また、日本造園学会や建築史学会等からの要望についてどのように受け止めているのでしょうか、伺います。

 

区長答弁M 元町公園の歴史性については、十分に認識しております。同時に、現在の元町公園は外堀通りと高低差があるため、高齢者や障害者等の利用に支障が生じております。また、見通しの悪さや利用しにくい状況等について近隣から苦情が寄せられ、管理運営上の問題もございます。

このため、公園を小学校跡地側に移設することにより、これまでよりも快適で利用しやすい公園となり、公園機能の向上が図れるものと考えております。ご要望をいただいた幾つかの学会等へは、この旨ご回答させていただきました。

 

質問N 区は、5月30日に「旧元町小学校跡地の有効活用について」の入札を行っています。その仕様書で、総合体育館を移設するという基本方針の下、プロポーザルの募集要項・選定方法等の関連書類を10月中に提出すること求めていますが、もう一度、文化的・歴史的な価値について再検討を行うために基本方針を凍結すべきと考えますが、如何でしょうか。

最後に、元町公園の文化財の指定候補への打診について伺います。2年前に都からの打診に対し指定を見合わせるようにと回答したと聞きます。これが本当であれば問題です。本来なら住民や議会と相談すべき事項であります。

文化財の打診は、具体的に誰が何時どのような形で行われ、どのような検討を行い回答を行ったのか、伺います。

 

区長答弁N 基本方針を凍結する考えはございません。

文化財の指定候補の件につきましては、平成16年に東京都の事務担当者から問い合わせがありました。そこで、周辺住民や利用者等から公園の安全上の問題が指摘されている状況であることなど現状を説明いたしましたが、その後、この件に関して都からは何の連絡もございませんでした。

 

質問O 建築に関する事務と総合体育館の改築に関連して伺います。

特定行政庁の権限、つまり区長の権限とされる「建築物の敷地と道路との関係に関する特例の認定」について区長に伺いますが、23区においては区に移管されている事務であり、その特例の認定は、それぞれの特定行政庁の判断によるとされていますが、如何でしょうか。

 また、他区では東京都建築安全条例についての特例の認定について、認定基準を設けていると聞いていますが、どのようなものがあると把握されているのでしょうか、伺います。

 

区長答弁O 東京都建築安全条例の建築制限に関する特例の認定は、「特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例」の規定により、特別区の長が行うこととなっております。各区の認定基準については、例えば建築物の規模と前面道路との関係に関するもの等があると認識しております。

 

質問P 区は、総合体育館の建替えについては、現在の地ではこれは法律上できないとし、その根拠を前面道路の幅員の問題と説明していますが、その根拠となる都建築安全条例10条の2は、自動車の出入りに伴う交通安全上の観点から、敷地と道路幅員の関係を定めたものですが、その条文は「ただし、建築物の周囲に広い空地がある場合その他土地及び周囲の状況により安全上支障が無い場合には、この限りではない。」としています。この判断は特定行政庁、つまり区長の判断によるという理解でいいのでしょうか、伺います。

 

区長答弁P これらの特例の認定については、関係する規定や周囲の状況を総合的に判断して区長が安全上支障ないと認めた場合に適用されるものです。ご指摘の東京都建築安全条例第10条の2の認定に関しては、道路幅員のみでなく建築物の周囲の空地の状況等により総合的に判断されるものです。

 

質問Q 区は、3月の総務区民委員会に旧四中の敷地に建てられる建物の大きさについて約4千uの土地に1万2千平米が建てられると説明していましたが、現在の総合体育館は延べ床面積が4千6百平米であり、検討に値します。当然この場合は、旧四中跡地の活用の検討を行ってきた「跡地活用協議会」の議論を尊重しながら総合的な検討の中で行うべきことです。

 区は、一貫して旧四中跡地の用途地域では広場の管理棟も体育館は建築不可能と説明していますが、旧四中のような第1種中高層専用地域や第1種低層住居専用地域に体育館が23区でも複数建設されていると聞いていますが、調査をされているのでしょうか、伺います。

 当然その場合には、近隣の住環境を悪化させないこと、日影についても配慮を行うこと、住民の理解を得ることを前提に、建築基準法第48条第3項のただし書きの規定による許可申請が必要となることはいうまでもありませんが、区長のこれらの手続きに関する認識を伺います。

区長は、総合体育館の建替えについて、元町公園だけでなく、現在の湯島4丁目や近隣の旧四中での検討も行うべきと考えますが、如何ですか。

 

区長答弁Q 第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域内に建設されている体育館については、他区の状況について調査を行っていませんが、建築基準法により建築できないこととされております。

建築基準法第48条第3項ただし書きの許可に関しては、特定行政庁が第一種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認められる場合に例外的に許可するものであり、いうまでもなく慎重に扱うべきものと考えております。

 次に、総合体育館の建替えについてですが、現在地や旧第四中学校跡地では、東京都建築安全条例や用途地域の制限などにより、建替えができないため、現在、旧元町小学校跡地と元町公園の一体的整備の中で検討しているところです。

 

質問R 旧4中跡地については、東大の情報学環の建物を建てるかどうかの協議がつづけられていると聞いています。昨年10月には新聞にも「映像コンテンツ 東大が研究拠点 安田講堂と並ぶシンボルに 文京区と隣接地を再開発 成果を地域に開放」と記事が載り広く区民にも知られるところとなっています。

議会への説明では、東大からの提案は昨年の7月17日に東大側から文書で「区立第4中学校跡地の利用について(ご提案)」という文書が出されていますが、そもそもの東大との接触はそれ以前の1年前とのことです。区は、旧四中中学跡地利用検討会を新たに設置し昨年12月末を目途に結論を得るとしましたが、この6月の時点においても依然として結論がでていません。

区と東大との協議における問題点や課題はどのようなものと認識されているのか、40億円の寄付で建設資金を調達するとしていましたがその調達の状況、今後の方向性について、伺います。

 

区長答弁R 現時点の東京大学との協議内容についてのお尋ねですが、地元町会長連絡会でもご質問いただいた土地利用の考え方や建物の使用方法などの事業スキームについての協議を行っております。今後、区としての考え方を整理した上で、地元住民や関係者に説明し、その際に、具体的なご意見やご要望を承りたいと考えております。また寄付の件ですが、東大から特に従前と異なる説明は受けておりません。

 

質問S 地元町会長連絡会の状況については、既に4回行われていますが、区は、東大からの提案にのみ固執し、それを押し付けることになってはいないでしょうか。本来なら町会長連絡会では、区の提案やプランについて多様な意見を寄せていただくというのが目的ではないでしょうか。

東大のプランとして説明されているのは、地下1階、地上8階建て、延べ床面積12000uで大ホールやミュージアムや研究施設及び区民を対象とする施設とのことですが、区は、本年度の予算での特徴的な事業の紹介として「アカデミー構想に関連する主な事業」の一つとして「東大に隣接する旧四中跡地に「(仮称)学びの環プラザ」建設をしようとするプロジェクトの本格的な検討に着手。」と説明をしています。

「(仮称)学びの環プラザ」建設は、何時決まったことなのでしょうか。区が一方的に方針を決めてそれを押し付けるそれが区民参画の区政でしょうか。

本来なら旧4中「跡地活用協議会」の議論を尊重しながら、町会長連絡会でも発言があった先程の総合体育館建設の検討も含め、あらためて総合的な検討に再び戻るべきです。如何でしょうか。

 

区長答弁S 「(仮称)学びの環プラザ」構想ですが、旧四中跡地を活用した東大との協働事業につきましては、すでに議会や地元町会にも説明してきたところであり、町会のご要望を受けて、さらに検討を続けているものです。したがって区が一方的に方針を決めてそれを押し付けるというご指摘は、全く当たらないものであります。次に、総合体育館を本件土地に建設することにつきましては、先ほどお答えしたとおりです。

 

質問21 2001年に廃院となった目白台3丁目の東大の旧分院敷地では、既に東大の情報学環のスペースとして活用されていると聞いています。旧分院敷地は、2万2千平米以上あり、東大としてその活用を積極的に行うという可能性があるとの推測もあります。区内主要公有地の状況については、定例で議会報告もされていますが、旧分院敷地の活用についての現状や今後の活用方針についての東大の考えについて、伺います。

 

区長答弁21 旧東大分院跡地については、大学用地として今後活用を検討すると聞いております。

 

質問22 廃プラスチックのサーマルリサイクルについてうかがいます。

昨年(2005年、平成17年)10月、特別区長会総会は23区の廃プラスチックのサーマルリサイクル(焼却し熱回収すること)について、平成20年度を本格実施の時期として定めることを発表し、今年4月にモデル地区の選定と実施を発表しました。

時を同じくして、文京区では、2000年(平成12年)3月に策定された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第六条に基づく一般廃棄物処理基本計画である「モノ・プラン2000文京」がこの4月に改定されました。

この改定版である「モノ・プラン文京」は、諮問をうけた文京区リサイクル清掃審議会が13回にわたる熱心な審議とパブリックコメントを踏まえ、作成した答申を基に誕生しました。

答申は、廃プラスチックの取扱について、「廃プラスチックの取扱は循環型社会形成推進基本法に規定されている発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分といった処理の優先順位に基づく事業展開を行うべき」とし、容器包装リサイクル法なども活用し積極的にリサイクルの仕組み作りを行うことを提言しています。改定「モノ・プラン文京」も3Rの推進を図り「モノ配慮社会」の実現を目指すことをサブタイトルとして掲げています。

清掃一部事務組合はサーマルリサイクルによる廃プラスチックの減容化を含む一般廃棄物処理基本計画を本年1月に定めました。本来であれば、清掃一部事務組合は各区の一般廃棄物処理計画によって、各区から出されるごみ量を考えて、それをどう中間処理するかの計画を立てるのが順序ですが、その手続きを踏まず計画を策定した事は遺憾です。

廃プラスチックのサーマルリサイクル実施は区長会と各区の申合わせ事項と特別区長会事務局は説明しています。区長会は議決機関ではないため、サーマルリサイクルは区長会決定ではないということです。本来であれば各区の審議会や議会の議論を経て、方針を決定すべき事柄です。文京区としては、サーマルリサイクル実施について、どのような見解を持っているのか伺います。

 

区長答弁22 廃プラスチックのサーマルリサイクルについては、平成17年10月の区長会において、平成20年度までに本格実施することが確認されました。サーマルリサイクルは、資源を熱エネルギーとして回収するとともに、最終処分場の延命に有効なリサイクルの手法です。本区としては、清掃一部事務組合と連携し、事業の効果や安全性を確認の上、推進してまいります。

 

質問22 昨年10月の特別区助役会資料によれば、廃プラスチックのサーマルリサイクルの実現に向けて、再生利用施策の拡充が必須であるとし、単一素材で収集が行いやすいペットボトルについては、23区で収集体制の拡充を図るとしていますが、その他のプラスチックは容器包装リサイクル法の見直しを踏まえつつ、各区事項としてそれぞれの創意工夫により再生利用を推進することとしています。

サーマルリサイクルのモデル収集実施を行う前に、遅れている廃プラスチックの減量・資源化への取り組みを23区で取り組むべきです。ことに、再生利用に伴う資源の圧縮梱包施設の確保等は23区共同で取り組むことが効果的です。

文京区は容器包装プラスチック回収モデル事業を2回実施しており、事業の検証と課題、その改善策などを把握し、分別のきまりをわかりやすくすれば、区民の一定の協力を得られることが明らかになりました。

23区においてリサイクル率のトップグループに位置する文京区が率先して共同事業の提案や働きかけを行うなど中心点的な役割を担うべきと考えますが区長のお考えを伺います。

また、文京区としても「モノ・プラン文京」に定めた3Rの推進のため、具体的なアクション計画をお示し下さい。

 

区長答弁22 廃プラスチックのリサイクルにつきましては、各区がそれぞれの創意工夫により実施していくものであります。今後、容器包装プラスチックの分別収集および処理に多額の費用を要することから、その削減方策等について検討してまいります。なお、ご提案の23区共同事業としていくことにつきましては、今後の検討課題とさせていただきます。

「モノ・プラン文京」の実現のための計画についてのお尋ねですが、「モノ・プラン文京」では、リサイクルの目標を達成するために、大きな効果が期待できる施策を優先的、重点的に取り組んでいくこととしております。そのため、まず大きな効果が期待できる事業系ごみ対策として、再利用計画書の提出が義務付けられている事業用大規模建築物の適用範囲を拡大すること、また、シビックセンターを事業系ごみの発生抑制とリサイクル対策のモデル事業所とすることなどを、リーディング・プロジェクトとして位置づけ、実現可能なものから取り組むこととしております。

 あわせて家庭ごみ対策として、発生抑制の向上、既存の資源分別の徹底、ペットボトル対策、その他プラスチック製容器包装対策、および生ごみ対策といった5つの施策についての取り組みを強化してまいります。

 

質問23 2006年5月18日の朝日新聞は、「埋め立て分6割削減へ」の見出しをつけ、廃プラスチックを焼却処分することにより、年間80万トンある埋め立てごみの約6割を減らし、最終処分場の延命効果を図ることができることを報じています。

この記事は、廃プラスチックを焼却することにより、あたかも埋め立て地の6割が削減できるような誤解を与える記事として批判をうけたと言われています。

2004年度の埋立処分計画量によれば一般廃棄物の埋立物に占める割合は20.3%であり、一般廃棄物の中に廃プラスチック占める割合が50%強であることから、埋立物に占める割合は容積比でおよそ10%にしかすぎません。また、清掃一組の埋立処分場の延命化の根拠となるデータは平成13年度の数字を用いているとされていますが、現在はごみ量そのものが減少し、延命化がさらに伸びることが十分考えられます。

6月5日の日本経済新聞は産業廃棄物の再資源化が進み処分場が余剰の時代にはいったことを報道しています。埋立処分場確保のため、廃プラスチックを焼却処分しサーマルリサイクルを拙速に導入する理由は見あたらないのではないでしょうか。他に緊急性を要する要因が存在するのでしょうか。区長のお考えを伺います。また、最新のデータを用い、埋立処分場の残余年数をお示し下さい。

 

区長答弁23 次に、廃プラスチックのサーマルリサイクル導入についてのお尋ねですが、サーマルリサイクルはマテリアルリサイクルなどが難しく、そのまま埋め立てられている廃プラスチックを焼却処理することで、熱エネルギーとして再利用し、化石燃料等の消費を抑制することができます。   

また、埋立処理量が削減されることで、最終処分場の延命化に寄与するものであります。そのため、可能なかぎり早急にサーマルリサイクルを実施する必要があると考えております。

次に、埋立処分場の残余年数についてのお尋ねですが、「廃棄物埋立エリア」の残余容量は、平成16年度末で約4千万?と推計されており、これまでの埋立実績量からの残余年数は概ね30年程度と見込まれております。今後、廃プラ等のサーマルリサイクルが本格実施されれば、一般廃棄物の埋立容量の約6割が削減できるため、残余年数は約41年となり、10年以上伸びることとなります。

 

質問24 清掃一組は廃プラスチックを含む可燃ごみの焼却処理を行った場合の焼却処理が排ガス、排水、焼却灰及び焼却施設に及ぼす影響等について確認、解析を行う検証を実施するとしています。

実証確認を行う予定である杉並清掃工場は、竣工が昭57年12月で全連続燃焼式火格子焼却炉ということですが、カロリーが低めで空気量を多くした設計であり、プラスチック焼却は想定外の構造となっているとのことです。住民から不安も多く、問題が発生した時には実証確認を中断するよう要望も寄せられていますが、区長の認識はいかがでしょうか。

 

区長答弁24 廃プラスチックを燃焼し、問題が発生した際の対応についてですが、実証確認を実施する清掃工場では、実施要領を策定したうえで実施することとなっております。その際、排出基準値を超える恐れがある場合は、実証確認を中断し適切な措置を講じることとなっており、安全性は十分確保されると考えております。

 

質問25 平成17年度の不燃ごみの焼却は、大田第二工場で合計で1120百トン中間処理さていますが、廃プラスッチクを燃やすにあたり莫大な維持管理費が発生していると聞いていますが、平成2年に竣工した大田第二工場における維持管理経費はどの程度のものなのかもあわせて伺います。

 

区長答弁25 次に、廃プラスチックのサーマルリサイクルに関する維持管理費についてのお尋ねですが、サーマルリサイクルを実施する場合、中和剤の増加などにより、可燃ごみ処理経費は増加するものと考えられますが、その一方で、不燃ごみ処理経費及び埋立処分経費が削減されるとともに、エネルギー回収に伴う収入が増加することなどにより、新たな経済的負担にはならないと考えております。

また、プラスチック類を焼却している大田第二工場の平成16年度維持管理費は、約44億円となっております。

 

質問26 実証確認の排ガスの測定項目には、これまでにもダイオキシン類類似毒性物質と指摘され、変異原性や発がん性が指摘されているニトロ多核芳香族炭化水素や多核芳香族炭化水素などの項目がありません。これで安全性の確認ができるでしょうか。

また、実証確認期間は準備作業から測定結果のとりまとめを含めて6ヶ月程度行われるとのことですが、試料及びデータの採取が行われるのは1ヶ月という短期間です。風向きや温度など季節の影響やごみ組成の影響などを考えると、周辺住民環境に与える影響が十分に検証できるでしょうか。

また、排ガスの大気拡散による人に対する影響は計算式により求められていますが、周辺住民の健康に与える影響については疫学調査を長時間かけて行うべきではないでしょうか。これらに対する区長の見解を伺います。実証確認の実施について、区として清掃一組にこれら問題点を指摘すべきと考えますがいかがでしょうか。

 平成20年度のサーマルリサイクル実施にむけ、あまりにも性急にモデル収集をすすめ、短期間でのデータ収集と解析を行うことは非常に危険であることを指摘したいと思います。

 

区長答弁26 実証確認の方法についてのお尋ねですが、排ガス等の測定項目に関して、ご質問のあった、有機化合物については、清掃工場の焼却温度を管理するとともに、バグフィールターなどの除却装置によって、問題なく処理されると考えております。

また、すべての清掃工場では竣工以来、一般大気環境とダイオキシン類の定期調査を継続実施しております。さらに、実証確認においては、定期調査とは別に、粉じん、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、ダイオキシン類などについても工場周辺の大気環境調査を実施いたします。したがって、周辺環境に与える影響については十分に検証できるものと、考えております。

次に、疫学調査についてのお尋ねですが、疫学調査とは、ある集団的な病状に対して原因を解明し、予防対策を講じるために実施するものであります。また、清掃工場における有害物資への対策技術も確立され、法基準値より厳しい規制値に基づき操業しているため、測定結果は、基準値を大幅に下回っております。このことから疫学調査は必要ないものと考えております。

次に、実証確認の実施についてのお尋ねですが、サーマルリサイクルの実施は、安全の確保を前提としており、実証確認はそのために行うものであります。したがって、モデル収集及び実証確認については、計画どおり、確実に実施すべきであり、現時点では、清掃一部事務組合に意見を申し立てるべきことは、特段ないと考えております。

 

鹿倉泰祐の自席から発言

区長、教育長、答弁ありがとうございます。しかし、答弁の多くが正確さを欠いています。もしくは議論のすり替えとなっているとしたら誠実さを欠いた答弁です。

区長、教育長、学校教育は信頼の上に成り立っています。学校の活動も教師の仕事も、信頼に支えられてこそ、成功の可能性が開けるものです。教育という事業は、学校と教師と保護者や地域住民の相互信頼が前提となって、好ましい展開が可能となります。つまりどんな「将来ビジョン」でも、その相互信頼を失うものとなっては、失敗です。「将来ビジョン」が単なるハードの建築行政といわれることがないよう、区民の声の反映ができるような会議体をあらためて設置することが信頼の回復の道です。

東洋文庫や総合体育館、旧四中跡地に関する答弁も誠実ではありません。都合の悪い情報だから隠すということがあってはなりません。例えば、旧四中跡地のような用途地域に建設されている体育館についても他区の調査を行っていないとのことですが、練馬区だけでも同様の用途地域に5つの体育館が確認できます。建築基準法のただし書き規定は、慎重にと区長は言いながら、文京区でも民間建築物で許可を出しています。都合の悪い情報だから隠すということがあってはなりません。

なお、その他の問題については、会派の委員からそれぞれの委員会において質問をさせていただきます。ありがとうございます。