総務区民委員会(平成14年4月1日)

(1)議案審査
1. 議案第34号 東京都文京区特別区税条例の一部を改正する条例

(1)議案審査

1. 議案第34号 東京都文京区特別区税条例の一部を改正する条例

○鹿倉委員 まず、概括的な考え方をお聞きしたいと思います。
 今回の特別区税条例の一部改正ということなのですが、この間、私たちがやはり地方の財源ということを考えてきたときに、財政自主権の強化、こういう観点からどうなのだろうかと、これを強めるものなのか、それとも逆行するものなのか、こういう観点があると思います。
 この間、全国の市長会も含めて地方の歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するようにと強く国に求めてきたわけですが、今回のこの改正案の内容というのは、それに沿う方向になっているのかどうか、そこをまず認識としてお聞かせ願いたいと思います。
○渡辺委員長 藤田税務課長。
○藤田税務課長 今回のもので特徴的なところは、創設された証券譲渡に関する特例の規定だと思うのですが、平成13年の改正でも100万円までの譲渡益については所得控除をするというのがございまして、これは地方税に対しても減税効果があって、自主権の面からどうなのかというような議論もありました。ただ、日本の国全体といたしましては、一般投資家を証券市場に呼び込んで経済を活性化する、そういう外郭的な大きな目で見ませんと地方税も今後明るい展望が持てないと思っております。
 平成12年の税収につきましては、株式譲渡益が見込みよりも上回ったというようなこともございますので、今後の直近の動向はわからないのですが、こういう特例をつくることによりまして一般投資家が証券市場に参入して経済活性効果が上がれば地方財政にもいい影響をもたらすものと考えております。
○渡辺委員長 鹿倉委員。
○鹿倉委員 今の見方については、課長の個人的な考えなのか区長の考えなのかは聞かないとわからないのですが、基本的にこの間、今お話になったように、長期保有株式にかかわる小額譲渡益非課税制度の創設については、これはやはり困るんだと。これは地方の財政から見れば、例えば譲渡益150万円ぐらいということを想定したときに関しては、今までの方式だったら住民税は9万円ほど。しかし、この制度を導入したことによって3万円ほどということで3分の1に激減をしているわけです。
 全国市長会などでは、やはり全国の市長の総意として税負担の公平の観点から適切な見直しをしなさい、見直しをしてくれと、こういう要望をしているわけであって、今回の内容については今までの特例みたいなものをまた引き延ばしてしまうと。そういう面では、地方の求める税制度とは違いますというのが、多分今度また全国の市長会などでも要望書をまとめると思うのですが、そういう形になってくるのではないかと思うのです。
 その辺については、ぜひきちんと認識を持っていただいて、地方税のあり方、改正の仕方、こういうことをぜひ国に対して上げていただかなくてはならない、そういう問題にもつながってくるのですけれども、その辺もう一度いかがですか。
○渡辺委員長 藤田税務課長。
○藤田税務課長 今、鹿倉委員がおっしゃったような点も確かにございます。ただ、今、選択的な源泉分離課税と申告分離課税を御本人が選べるという形になっております。完全な源泉分離課税を選んだ場合に、確定申告上で必要経費とかそういうものを申告なさらなければ、住民税は全くかかっていないというような状況もございます。申告された方にだけ6%の地方税がかかっていて、申告されなくて完全な所得税だけ源泉分離で済ませている方については全く住民税はかかっていない。この不公平さを是正しようということで、申告の分離課税に一本化しようとしているのでございますから、そういうところから見ますと地方税の補足に関して、より確実になるという面も大きいと考えております。
○渡辺委員長 鹿倉委員。
○鹿倉委員 申告分離課税方式への一本化の問題はこの間の懸案であって、基本的にそれを法律に明記していながら政府の方が延長を繰り返してきたというところで、我々としては本当にそれは困る、やめてくれと、こういうことで要望をしてきたのだと思うのですが、この申告分離課税方式への一本化については、これは明確に全面的に行うと今回の議論の中で政府は約束をされているのでしょうか。
○渡辺委員長 藤田税務課長。
○藤田税務課長 平成15年1月1日から申告分離課税への一本化というのを大前提といたしまして、今回御提案させていただいたような税率の特例であるとか100万円の控除の延長というものが出されております。

○渡辺委員長 鹿倉委員。
○鹿倉委員 そこの点は、やはり国に対する要望の中で極めて重要な問題になってくると思うのです。先ほど課長が御答弁したように、この申告分離課税方式にならなければ、基本的に税が住民税という形で納税されることが保証されないわけですから、極めて重要な要望ということで国に対して明確に実施するように、これを強く求めるようにお願いをしたいと思うのです。
 ただし、私はこの長期保有株式にかかわる小額譲渡益非課税制度というのは、本当にこれは税のわかりやすさ、税の公平という観点から見たら、これをまたまた延長するというようなことは、はっきり言って大問題だと思います。
 それから、附則第10条第1項の平成16年度までその適用を停止していた土地などを譲渡した場合の長期譲渡所得にかかわる課税長期譲渡所得金額、これについてもやはり今までの約束と違うことをやるのは税に対する信頼を失うということだと思います。国会の中では、別に私が所属している社民党の議員の方が言っているわけではありませんが、こういう小手先の経済対策ということをやるのは問題だと。これをやって本当に効果があるかどうかなんてわからないではないかというような発言をされている、いわゆる保守側の議員の方の御発言もありましたけれども、やはり我々が目指すべき方向の税制度とは反対の方を向いているのではないかと私は判断いたします。
 そういう面からいいますと、今回、幾つか新しい形で口座を設ければその税率は安くするとか、いろいろ出ていると思うのですが、こういったものについてもやはり税の信頼という観点を損なうものではないかと思いますが、その点については国が決めたということで通すことではなくて、やはり地方税のあり方という観点に立って必要な見直し、そういうものを行うべきではないかと私は思います。
 それからもう一つ、きょうの条例には出ていないのですが、例えば特別土地保有税に関しての法律が変わっています。そういうものについての影響というものは図ったりはしているのですか。
○渡辺委員長 藤田税務課長。
○藤田税務課長 今回の条例に上程していない分も確かにございますが、それについては今動向を見ながら、いつ条例に反映させるべきかというところを検討しておりますので、お待ちいただきたいと思います。
○渡辺委員長 鹿倉委員。
○鹿倉委員 特別土地保有税については、調整三税の方でやはり影響が出てくるのではないかと思うのです。基本的に地方の財源を強化する、こういう立場でやられたとは聞いていません。やはり我々の歳出規模に見合った財源を確保する、そういう観点での必要な改正とは今回の制度はなっていないと思います。
 ぜひ、この件に関しては、全国的な議論の中で国に対してもっと地方税のあり方について、国の一方的な景気対策という観点からの変更ではなくて、地方の実態、地方の歳出、地方の予算、こういうものをきちんと反映できるものにするために、ぜひとも積極的に行動、そして要望を展開することが必要だと思いますが、部長、いかがでしょう。
○渡辺委員長 相良総務部長。
○相良総務部長 今、一連の改正につきましては税務課長がお答えしたとおりですけれども、御案内のように、今の景気対策としてどのように景気を浮揚させていくかということが確かに重点になっていることは事実でございます。しかしながら、一方で税金という性質から、全国的に統一的な、安定的な収入を確保するという意味でこういう形での改正がなされたものと考えております。
 しかしながら、今御指摘の点がありましたし、私ども、税務執行に当たっては今後とも十分自主財源を強化するという、そういう立場からいろいろな検討をしてまいりたいと考えております。

○鹿倉委員 基本なスタンスは幾つかあるかと思うのですが、前も私、税制財源問題で議論申し上げたときに、アメリカだったらアメリカのクリントン政権で行った税制改正というのを引き合いに出して話したことがありますが、基本的にはまるでこれと反対の方向のことをやったわけですね。景気低迷下のもとでどういう税制度の改正をすべきか。これは、今でもアメリカの国内で民主党の皆さんだったら民主党の皆さんはそう言っていらっしゃいますよね。
 やはり、向いている方向が私は違うと思います。国会で先ほど述べたのは自由党の方ですけれども、自由党の方が小手先の決算対策だと言って反対されていましたけれども、やはり私は財政自主権という、そういう立場からきちんとした議論が国会において行われることこそが求められているわけであって、それはやはり地方の歳出規模と地方の税収確保、こういう観点から税制度についてはきちんとした対応、改正をすることが私は求められていると思います。
 また、申告分離課税の一本化の問題、これはやはり本当にきちんとやっていただかなくてはならないと思いますし、それから税負担の透明性、わかりやすさ、公平感という観点から見るのだったら複雑なものはつくるべきではありません。
 今回、提示された附則第10条だとか附則13条については1項及び第3項もしくは13条の2、13条の3、13条の4、13条の5という形で、土地などの長期譲渡所得や株の譲渡益にかかわる改正という形でやられているわけですが、これは改正ではなくて私は改悪だと思います。これはやはりきちんとした自治体として今後、国に求める、そういう方向から考えるとあってはならないと、こういうふうに思いますので反対いたします。

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